過去濃厚、走行の娘か?
かこのうこうそうこうのか
萩男、電気屋行くんか?乗せてったるわ、後ろ乗りいや。長門真理の赤いパッソーラが俺の横に停まった。これはラッキー!と、俺は真理の好意に甘えた。颯爽と二穴で大和川を渡る。夕闇に染まる生駒山と川面からの風が心地好い。しかし、暫く走ってからパトカーがサイレンを鳴らしながら追っかけて来た。真理!ポリや!だが真理はケラケラ笑って「心配せんでええって。もうウチの家の近くやさかい。奴等、ムラ(部落解放同盟地区)の中までは追っかけてけえへんわ。萩男、スピード上げるからしっかり捕まっときや!」と言った。親呼び出し、停学と言ったワードが俺の脳裏を掠めながらも、しっかりと真理にしがみついてどさくさに乳を揉んでいた。(石坂洋三郎『赤い山脈』より)
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大阪府
はぎやん さんの回文作品
(投稿:2020/3/10)